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2012年06月12日

OSJ奥久慈トレイル50K

巷の噂ではハセツネよりきついとか、最も過酷なレースとか、不穏な空気しか感じさせない奥久慈トレイル。なんでエントリーしてしまったんだろう?チームメイトがエントリーしていたから?地元開催だから?色々思いつくけど、多分エントリーが閉め切ってなくて、ただただ酔っ払った勢いからなんだろう。

50kのトレイル。1日に移動する距離としては勿論初めてとなる距離。でも心の何処かでどうにかなるって思ってた。山歩きに没頭していた時期もあったし、ロードの練習もファンランナーに毛が生えた程度は練習しているつもりでもあった。レース直前に軽く足首を捻ってしまったり、風邪を引いてしまったりもしたけど、それでもまだどうにかなるって思ってた。
OSJ奥久慈トレイル50K
最初に不安を感じたのは前夜祭で世界の鏑木氏が放った一言だった。

鏑『大体ロード90kの感じだと思っていてください。』

いやそれ無理ッス。。

<スタート〜第一関門>
朝5:30スタート。去年とは逆周りのコースとなるみたいで、特に起伏の激しい部分は前半部分にあるようだ。長い行程の事を考えて押さえ気味に入る。天気予報とは裏腹に晴れ間の見える空。

<第一関門〜第二関門>
最も起伏の激しいあたりだろうか?ココに来て天気が一変。土砂の降り。心が折れる。次の関門でリタイヤしても良いだろう。前夜祭にコースも半分、充分楽しんだろう。最初にリタイヤを考えた瞬間だった。

エイドでチームメイトのシンゴさんに出会う。次第に天気も回復し始め、士気も上がり共に第二関門へ。チラホラ制限時間を危ぶまれる声が聞こえ始める。
OSJ奥久慈トレイル50K
<第二関門〜東金砂山神社>
豚汁と補給食を摂って再びスタート。直後の登りでシンゴさんの背中は見えなくなる。膝も終わりを始めている。距離にして約30k。あぁ、俺甘かったね。調子にノッたね。50kとか無理だったね。疲労からか眠気もやって来る。耳にすることはあったが行動中に眠くなるとかあんのかよって思ってました。

眠い...マジで眠い...。

場所にして東金砂山神社前。この階段を登りきったらリタイヤしよう。エイドもあるから救護カーも入れるだろう。境内で思いっきり寝よう。そしてリタイヤしよう。

<東金砂山神社〜第三関門>
水と補給食を口にして階段に腰を掛け呆然としていた。隣り合わせになったランナーが応援しに来ていた女性に弱音を漏らす。

ラ『この時間からじゃ第三関門はもう無理だ。。』
女『絶対間に合う!ココまで頑張ったじゃん!第三関門で待ってるから!』

檄を飛ばす女性。その檄は僕の心へも深く突き刺さった。今ココでリタイヤして後悔の無いレースと言えるだろうか?前回のかずみがうらマラソンでどれだけ悔しい思いをしたのか忘れたのか。脚はほとんど終わってる。11kを1時間半、かなり厳しいと言っていいだろう。

僕は林道を走った。とにかく全力を出し切ろう。それで制限時間に間に合わなかったとしても良い。胸を張ってレースを終えたい。そう思いながら走っていた時に後ろから声を掛けられる。声の相手はもう一人のチームメイト、ランブラーさんだった。

シンゴさんから体調不良でリタイヤかもと聞いていたので、その姿を見た時はビックリした。と同時に心強い味方を得た事に喜んだ。しかし、間に合わないかもしれないと感じているのはランブラーさんも同じ様で、先の見えない関門に向け1mでも多く二人で走った。
OSJ奥久慈トレイル50K
<第三関門〜予備関門>
ギリギリ制限時間五分前に関門を通過した僕らは再び予備関門へ向け出発。直後の登りでやはりランブラーさんの背中が見えなくなる。先の林道で完全の完全に脚が終わっているし、全力を出し尽くした感もある。次の関門までだとしても後悔のないレースと言えるかもしれない。

するとロードへ出た所でランブラーさんが待っていてくれた。歩く自分を待っていたんじゃ制限時間内の完走は難しい。『先に行ってくださいっ』と伝えるも、それでも待っていてくれるランブラーさん。走る力はほぼ残っていなかったけどその気持ちに答えたいと思い最後の力を振り絞って歩きと走りを交えてなんとか制限時間15分前関門通過。

<予備関門〜ゴール>
予備関門を抜けたあたりから脚が戻って来て再び走れる様になった。トレイルを越え最後のキツい階段を上りランブラーさんと手を繋いでゴール!先にゴールしていたシンゴさんと三人で抱き合い喜びを分かち合う。

今回のゴール、実力以上の物を出し切れたとハッキリ言える。僕には奥久慈はまだ早かったのだ。こうしてゴール出来たのは偏に仲間達のお陰だ。13時間20分、それにしても長かった。。
OSJ奥久慈トレイル50K
ロードやトレイル、レースに出る様になって二年位経つだろうか?レース前はいつだって孤独で、食事制限にトレーニング。友達からの誘いを断る事も少なく無い。付き合いが悪くなったと感じている友達もいるかも知れない。それでも僕がレースに出るのはやはりこの何物にも代え難い達成感があるからなのだ。そしてそれはチームメイトがいる事で何倍にも増幅すると思っている。

以前読んだ本に、最近ガッツポーズをしたのはいつですか?と言うくだりがあった。幸いな事に僕は今の所ガッツポーズしまくりだ。次はハセツネ70k。再びチームメイトとガッツポーズで締めくくりたい。


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Posted by やな先輩 at 01:51│Comments(0)ROD
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