燕山荘より本日のテン場大天荘を目指す。距離にして
2時間弱と言ったトコロ。標高2500mを行ったり来たり。
睡眠不足も祟ってか、さすがに疲労も募って来た。
たしか昼の3時前くらい。大天荘到着。標高約2900m。
さっきまでの快晴はドコに行ってしまったのか辺り一面ガスに包まれ
展望は無く、あるのは強風のみ。なにはともあれテントの設営だ。
今回持って来たテント。BDのワンショット。だってそうだろう。
買った(て貰った)理由は稜線上での使用を考えての事なのだから。
しかし悲劇は起こるのである。
◆
ペグが効かない地面。仕方が無いんでまずはタイベックを広げ四隅に石。
でテントを広げるも、その間すでに石から外れ風にまたたくタイベック。
ゴツゴツの地面でなるべくテントを直に置きたく無いからタイベックを
広げ直したり石で押さえ直したりしてるウチにだんだんイライラしてきた。
あーもう面倒だ。テントは自立すんだ。
とにかくポールを挿してぶっ建てちまおう!
で
庇のポールを挿した。
↓
長いポールを挿した。
↓
次のポールの用意をしていた。
↓
突風に煽られた。
↓
長いポールが抜けた。
↓
ボトムからポールがニョキッと貫通。
ちょちょちょちょ!!!そこポール出るトコじゃ無いっしょ!!
恐る恐る確かめて見るとコーナーの生地も若干裂けてる。
あはは。あはは。あはははははは。
◆◆
気を失っている訳にも行かないのでなんとか設営を終えてビール。
ガスで展望は無いのにボウッと遠くを見つめるオレ。
今のオレの背中ほど哀愁を表現出来る背中もそうはないだろう。
そうさ男はいつだって背中で会話が出来る様でなくては行けないのだ。
◆◆◆
夜半。風は更に強まる。
四隅を無理矢理ペグダウンし、更にガイライン六ヶ所全て取ったにも
関わらず、深夜強風で煽られペグがぶっ飛ぶ。雨の降る中ペグを刺し直し
ラインを張り直して、以後稜線上でのテン泊を禁ずる事を堅く心に誓う。
◆◆◆◆
13日5時。起きるとやはりガスで真っ白。依然強風は止まず雨まで降って
いる。本日は水俣乗越から先は岩歩きが予想される。一人で大丈夫かしら?
常念方面へエスケープする事も考えたが明日は回復するかもしれないと結局
予定通り槍ヶ岳方面へ足を進める。
本来なら殺生ヒュッテでテン泊の予定だったが昨日稜線上でのテン泊を堅く
禁じた僕は予定を変更して槍ヶ岳山荘に泊まる事にする。どのみちこの雨風
の中テントに泊まる根性はあいにく持ち合わしていない。
この日の歩行時間約7時間。苦行の如く楽しい事はなに1つ無かった歩きで
あった。晴れていたら槍方面の稜線を楽しみながらの歩きになるんだろうが
一度も展望が晴れる事は無く、そして雨も止む事は無かった。
ヒュッテ西岳名物トメイト。
東鎌尾根の下り20mハシゴ。恐怖感は無い。
ヒュッテ大槍特性とんこつらーめん。
<まだまだ続くよ次はその3>